2010年9月9日木曜日

バーをやるなら

・バーの経営にあたっては「むやみに食事メニューを増やすな」。食事類を多く提供すれば
 するほど、人件費が余分にかかり、利益率がガクンと落ちてしまう。加えて飲んでいるときに
 お腹にたまるものを口にすれば、それ以上お酒が進まない、イコール売上が上がらない。

・絶対にチャージやサービス料を取らないこと。
 いまや運んでくるだけの行為をサービスとは呼ばない。

・バーのメイン舞台であるカウンターに座ったお客さんにとって、バーテンダーは主役であり、
 花形。シェイカーの振り方やミキシンググラスのかき混ぜ方はもとより、お酒のボトルの
 開け閉め、ライムのスクイズの仕方、ビターズの落し方といった動きの一つ一つが、
 お客さんにとってみれば、出来上がったお酒の「味」を左右する。

・バーテンダーに最も大切なことは「お客さんの今日の気分を読む力と、それに合わせた
 臨機応変な対応力」。たとえ同じお客さんであっても、分量も、割合も、グラスの選択も
 日によって微妙に変わるかもしれない。あるときは逆にまったく同じかもしれない。
 それを読み取り、お客さんの心を読んで、自在に変化をつけられるだけの技量とセンスが
 バーテンダーには不可欠。

・店の入り口を「敷居が高い=入りにくい店」の構えにしておくと、お金を持ったお客さんを
 選別できる。「ナチュラルセグメンテーション」。

・クーポン券を使うお客さんは、絶対的に上得意客にはならない。
 同様に、ハッピーアワーも「この時間、うちにはお客さんはいないので、値下げさせて
 いただきます」と宣言しているようなもの。お客さんの心理として、流行っていない店には
 たとえ値段が安くとも足を運びたくない。逆に、メチャクチャ混雑して身動きが取れないほど
 ごった返しているお店には、何時間並んでも入りたい。お客さんの心理を読まずに成功は
 あり得ない。見下されたら最後。

・1人で飲むお客さんにとって、お店は単なる食事処ではない。憩いの場そのもの。
 子供を居酒屋に連れていくことの何が悪いのか。お店の中に存在していること自体が目障り。
 まともなお客さんにとって、2重に不愉快なのが子供の入店を許しているお店の姿勢。
 その場の雰囲気も値段に入っている。「その場の空気感は、お店にいるお客さん全員の
 共有物である」という認識が、少なくともお店側には必要。

・酒は料理に比べ、調理手間がかからない(早い)、雑損率が極端に低い(コストが安い)、
 利益率が良い(うまい)

・若いOLはお店のデストロイヤーとなり得る。2番手はオバサン族。ここに迎合した店は
 うまくいかないことが多い。
 ・日本人は熱しやすく、冷めやすく、飽きっぽい。
 ・お店がマスコミで採り上げられるのは、切り口が多様でない限り、一時期だけ。
 ・店がただの観光名所になってしまっている。
 ・「話題の店だから一回は覗いてみたい」という具合に、お客さんのほとんどが一見さんで
  リピーター客が少ない。よってお客さんが固定化しない。
 ・一時、混雑していた店は「流行った」という印象が強く、混雑が過ぎると「時代遅れ」
  「過去の店」といったイメージを持たれてしまう。

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