2010年9月9日木曜日

キャリアを積む

■就職について

  • 人間には、就職することと自己雇用することの両方から選ぶ自由があるべき。教科書によれば、ただ一握りの人々だけがビジネスチャンスを見出す才能を持ち、そのチャンスの源に思い切って近づく勇気を持っていることになっているが、企業家としての能力は実際には普遍的なものであり、ほとんど誰でも、自分のまわりでビジネスチャンスを認識できる才能を持っている。
  • 大学の後の人生はリクナビから選ぶものじゃない。

■長く働ける会社の選び方

  • 平均勤続年数は有価証券報告書で必ず開示しなくてはならない項目なので、上場企業なら必ずわかる。毎年安定して新卒の大卒を採用し、ほとんど中途採用のない会社なら、22歳から定年60歳までの38年の半分、勤続19年程度が「社員がほとんど辞めない会社」の目安となる。19年の根拠には、「毎年安定的に採用を続けていれば」という条件がついている。上がつかえていて若年層を採らなければ、勤続年数は長くなり平均年齢は上がる一方だ。
  • 小売りをはじめ、人が休んでいるときが稼ぎどきの飲食業や宿泊、サービス業は離職率が高くなるが、デパートと大手スーパーの働きやすさは、長く培われた福利厚生基盤と、それを背景とした社風の賜物。

■キャリア形成について

▼学歴は関係ない!?
  • 学歴ではなく、卒業後の学習歴が重要。
  • ビジネスの社会では、学歴があっても実務経験のないものは役立たずだが、逆に実務経験があっても学歴のない人は最初から相手にされない。必要以上にたくさんの仕事をこなしたら、仕事の相対的評価は下がってしまう(←どんなに頑張っても、給料はさほど変わらない)!
▼お金への安心感を手放すな
  • 「時間でお金をもらう仕事」のいいところは、自分に経験がなくてミスばかりしてもお金がもらえること。それが自分の「やりたいこと」に近い「お金をもらえてしまう仕事」であれば、勉強しながらお金がもらえるのだから、ある程度もらえるお金が少なくとも、やる価値がある。楽しく仕事をするためにも、お金への安心感は大切。
▼現在は未来への贈り物
  • 今日一日無事に過ごせれば良いという気持ちになるのは、仕事を目先のこととしてしか捉えていないから。実は人生も同じで、今自分が置かれた状態は、過去の発想と行動がそれを作りだした。今がもし不満足なものであるとしたら、過去の生き方が不十分だった。そしてそのことに気づいて今日の行動を改めなければ、より良い未来はやってきてくれない。人間が実際に手を触れることができるのは、過去でも未来でもなく、現在しかないのですから、今日という日は自分の未来を決定する重要な一日。そういう気持ちで少なくとも数カ月先を見て仕事を進めること。
  • 私たちの不幸は、会社などに所属して努力することが、将来の滅亡や遠くに住む人たちの不幸につながってしまっていることだと僕は思います。
▼会社に依存しない
  • 財布を増やす
    • 今、多くの人たちは会社にぶら下がって生きています。これは極めてセキュリティが低い生き方です。なぜなら会社をクビになると生きられなくなってしまうわけですから。会社に尽くし、会社に依存している状態、これではセキュリティが低すぎです。
    • 百姓というのは、百の生業を持っているから、たとえどれかひとつが不作であっても他の作物で暮らせます。多少のことにはびくともしません。とてもセキュリティが高い生き方です。様々な方法で、様々な収入源を得るような生き方をしてほしいのです。そうすることで、私たちはもっと自由になれる。仮に会社をクビになっても、自殺なんて考えることもない。
  • 磨くスキルと実績作り
    • 文章を書くこと、デザインをすること、ウェブを制作することの3つは比較的身につけやすく、「成果でお金をもらう仕事」になりやすい。発生率も高く、払ってもらうお金に見合う効果があることさえきちんと説明できれば、それは「お金をもらう仕事」になり得る。まぁ、はじめは「お金をもらわない仕事」として実績を積んでいくのも手。
    • 商品を売るときや、自分が独立してやっていくとき、「質」で勝負するのは後にして「数」で実績を作ることが簡単です。(以下は例)
      • 1,000人に商品を試用してもらって、評価と応援メッセージをもらった
      • 無料相談件数2,000件
      • 1年で300人の経営者と食事をした
      • 1年間休まずにブログを更新し続けた
    • トイレ掃除をする。「トイレを掃除する、ちゅうことはやな、一番汚いところを掃除するっちゅうことや。そんなもん誰かて、やりたないやろ。けどな。人がやりたがらんことをやるからこそ、それが一番喜ばれるんや。一番人に頼みたいことやから、そこに価値が生まれるんや。」
  • チャンスを増やす
    • 「最近忙しい?」と聞かれたとき、「そうでもないですよ」と答えて、安くてよいものを目指す。それでたくさんの仕事が来るようになって時間に余裕がなくなってきたら、初めて値段を高くしたり仕事を断ったりすれば良い。
    • 始まりは全て小さい。どんな大問題も、その始まりは小さな小さな出来事から出発している。だから日常的な些細な問題を、甘く見たり手抜きをしたりしないで、きちんと片づけておくことが大切。気づいたときにすぐに実行すること。問題の芽が小さいうちに向き合って解決してしまうのが最良の方法。
  • 立ち位置を意識する
    • 「時間でお金をもらう仕事(フルタイム)」と「成果でお金をもらう仕事(フルコミッション)」のどちらで働くのか、「お金をもらえない仕事」なのか「お金をもらう仕事」なのか「お金をもらえてしまう仕事」なのか「お金をもらわない仕事」なのか、現在の位置と目指すべき位置ははっきり意識しておいた方が良い。
    • 地味に思えてもキャリアをじっと積む時間を長く持つことがのちの人生に大きく生きてくる。
    • 今までたくさんの辞令を一方的にもらってきたけれど、これからの辞令は私が全部自分の手で書くんだ。

■転職について

▼考え方
  • 本当に嫌だと思うほどその仕事に打ち込んでみて、それでも嫌なものはやめた方がいい。
▼転職文化
  • 職業横転率という言葉がある。会社を変わっていく度合い。戦前の日本はそれが非常に高かった。会社を変わることに平気な、世界に冠たる民族だった。松下幸之助が会社を興して一番悩んだのがそこ。いくら優秀な人間を育てても出ていってしまう。年功序列も終身雇用も労組協調も全部、戦後。その意味じゃ日本は転職の自由が強かったのは間違いない。徳川時代から終身雇用と思ったら大間違い。
  • 中国の人は「発展空間」という言葉をよく使います。いまの仕事を続けて、自分がさらに発展できる空間があるかどうか、企業はそうした発展空間を提供できるかどうか。それが、中国で優秀な人材を確保できるかどうかの分かれ目になるでしょう。
  • 「ハローワークが紹介した仕事を3回断ったら失業保険給付金が下がります」とか、「4回目は給付期間も短くします」というようにしてみるのはどうか。
▼どうやって転職するのか
  • 転職活動の3大手段は、ハローワーク、求人広告、縁故(コネ)。4人に1人はコネ。
  • 「年齢が高い」「転職回数が多い」「一貫したキャリアがない」「資格がない」などの条件の悪い人ほどコネを使うべき。その理由は「履歴書では熱意が伝わりづらい」から。どれだけ強い気持ちがあっても、条件が悪い人は書類審査で落とされてしまいがち。コネがあれば、書類審査の次の面接に進める可能性が高くなる。
    • 公務員のコネ採用は法律違反。採用と引換えに一定金額以上の商品購入や企業への参入許可などといった見返りを暗黙で約束するケースや、占い師や悪質な金融ブローカー、総会屋、闇金融からの紹介なども、あとでトラブルになる可能性が高いので、避けた方が賢明。
  • コネで入社したとしても、絶対的な成果を出すうちにウワサは消える。そして紹介者への連絡を欠かさないこと。悩んでいることやマイナス面も報告しているうちに、退職してもトラブルにはなりにくくなっていく。
▼転職してどうする
  • 「○○を通して、何が変わったか。」←その人の人生を大きく変える出来事であるほど、本来聞くべきは「何か変わらなかったものがあるか」だ。
▼面接
  • 避けたほうがいいこと
    • いつまでもしゃべり続ける。
    • 現職の悪口を言う。なぜ転職するのか、創造的な理由を考えること。そうでないと文句を抑えられない、大人気ない人だという印象を持たれてしまう。
    • 自分のミスを認めない。間違いを犯すこと自体が問題なのではなく、認めないことが問題。
    • カバーレター(添え状)を書かない。応募する企業のビジネス形態を理解していることを示せるし、あなたがどうその企業に貢献できるかを述べるいい機会。
    • 頑張りすぎる。知ったかぶりや、質問に無理に答えようとしていることがわかると、あまり良い印象を持たれない。
    • 情熱が見えない。その仕事がほしいことを伝えられなければどうしようもない。
    • マナー違反。面接後には面接で話したことに触れたお礼の連絡を入れること。
    • 給料の交渉。失敗は2つあり、まず1つ目は、給料について早く聞きすぎること。2つ目は、給料について何も聞かないこと。質問できる権利を勝ち取った上で、質問に幅を持たせるべき。たとえば、「給料はどれくらいを考えていますか?」などと聞く。そして相手の回答を待つ。
▼転職する前にしておきたい質問
  • 「前任者は今何をしていますか?」
  • 「この仕事を始めたばかりの人がやりがちな失敗は何ですか?」
    • こんな質問で面接官を含めたディスカッションが始まるようにするのもあり。募集中のポジションは新設されたものなのか、前任者が投げ出してしまったのか、前任者が昇進してポジションが空いたのか、などの職場事情もわかるかも。
  • 「この会社のどこが一番好きですか?」も、いろんな回答を引き出せる。
    ⇒もし、答えが思いつかず頭をひねっている面接官がいたとしたら...まぁやめといた方がいいかもね。

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