2011年10月29日土曜日

本「個人でつくる電子図書館」【11年16冊目】

<本の紹介>
電子図書館運営の先達であった館主・内転儀久が、この10年の経験を集約。ネット万能時代の読書・資料収集・公開について手の内を公開する。

<メモ>

  • 個人で電子図書館をつくる時代が到来した。
  • 郷里を離れて都会や別の地方都市に暮らす人が、郷里の図書情報を提供することもできる。自分が郷里に住んでいなくても郷里の土地勘があるし、幼友達もいるだろう。そうであれば、郷里の図書情報を提供することによって、懐かしい友達に出会えるかもしれない。電子図書館をつくって「ふるさと貢献」するのもよいだろう。
  • ローカルな図書情報であっても、特定地域の図書情報を集積していけば、地理的な地域の隔たりを越えて多くの人から特定地域の図書情報を提供してもらえるという電子図書館の利用法。
  • お気に入りに登録されたサイトが自分のマイ電子図書館であり、マイ情報センターになる。
  • 紹介する情報のうち、政治・宗教・販売の情報、プライベートな記事、また個人情報や誹謗中傷するような情報は取り上げない。ただし、テレビ番組の中で芸能人が、まちの「うまい店」として紹介した店は名前を出している。芸能人に紹介されるような店は「地域の文化」だと思っている。
  • サイト内検索だけでなく時代別・領域別のデータベース化作業を続けようと考えている。何かを考えるヒントは、系統的に整理された情報の集積から生まれる。
  • 満開佐倉文庫情報大賞であるが、一年間、当文庫に寄せられた情報を整理し、その中から佐倉の再発見となるような情報、インパクトのあった情報、その年の情報として記録しておきたい情報を十点近く選び、情報大賞の候補とする。その中から電子司書さんと相談して、情報大賞を選んでいる。
  • 地域の歴史・自然・文化(それを風土といってもよい)に興味を持つことである。家の外に出て地域の風を頬に感じ、地域の史跡を訪ね、地域の食を味わい、地域の文化人と交流することである。そうすることによって、地域の図書は自ずと集まってくる。
  • 本に限らず情報紙、CD、DVD、記念資料、パンフレット、ポスターなどの資料があり、これらを含めて地域資料と捉えている。しかしこれらの資料は特定の人が特定の人に配るために作成したり、有料であったりして集めづらい。集められればいいですねというところである。
  • 読書をしながら自分の住んでいる地域が出てくる本に出会うと、思わず嬉しくなる。その本は、知らず知らずに印象に残るものである。どこかにそれを収納する箱をつくり、みんなで読書をしながら地域本を探していくのである。
  • 地域が小説に描かれたり、映画のロケ地に使われることはその地域に魅力があるからであると考えている。だからその魅力を多くの人に伝えたいと思う。その情報発信の手段が当文庫である。さらに、地域が描かれた作品はそのまま国語教材として、市内にある学校の国語教育にも使えるのではないかと考える。
  • 当文庫では、過去の書物を集めることよりも、地域の「今」を集めている。「今」は自分が生きている時代の図書情報であるから集めやすい。地域の「今」を集め、「今」を整理し、「今」を次の時代に伝えたい。「今」は、やがて歴史の一ページになる。
  • Googleマイマップを使って、全国にある「佐倉」という地名情報、名称、公共施設名などを提供する。
  • ウェブサイトに掲載された図書情報は、私と情報提供者が見るだけでなく、世界中の人が見ているのである。私の読書レベルが白日のもとにさらされる厳しさがあるが、それも勉強である。むしろ、「私はここまでわかりましたが、さらに詳しい本を知っている方がおられたら教えてください」という情報発信であり、受付姿勢の表明である。
  • くにたち図書館では、くにたち地域資料ボランティアの方々が資料の収集、現地の調査、聞き取りなどを行い、そして議論を重ねて、レファレンスシートを作成している。
  • 不採用になった情報も何件かありますが、その際の館主さんの判断とその明解な解説連絡を戴くことの方が採用と同じくらい嬉しいですね。「一喜一憂」としないで「嬉々」とした次第です。

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