2012年1月14日土曜日

本「中央線なヒト 沿線文化人類学」【12年006冊目】

<本の紹介>
何かにつけてウンチク、ビンボーそうなのにヨガやマイブームには大枚をはたく、上昇志向なんて恥、夜は馴染みの飲み屋で一杯……。そんな「中央線人」の変なオーラとディープな生態を観察する、お笑い「沿線文化人類学」。何かにつけてウンチクを垂れ、ビンボーそうなのにヨガやマイブームものには大枚をはたき、上昇志向を持つことを恥とし、夜は馴染みの飲み屋で一杯…。そんな""中央線っぽい""人、あなたの周りにもいませんか?本書は、そんな「中央線人」の変なオーラとディープな生態を鋭く解き明かす、抱腹絶倒の「沿線文化人類学」。中央線沿線の住人はもちろん、東京を知る人なら誰でも笑える!中央線に住んでる女は男に口説かれなくなるって、ホント!?

<メモ>

  • 甲武鉄道は、起点の新宿から終点の立川までの間に、二つしか駅がなかったというから、驚き。その二つとは、中野と、意外なことに武蔵境。
  • 昭和初期には、高円寺から西荻窪にかけての文化人・作家グループが、井伏鱒二を中心に集って「阿佐ヶ谷会」というのを作った。これが、"元祖中央線文化人"の集合体です。そのメンバーとは。彼を慕って集まった太宰治。仏文学者の青柳瑞穂。『チャタレイ夫人の恋人』を訳した伊藤整。文壇のまとめ役、巌谷大四。『安曇野』の作者・臼井吉見。芥川賞受賞の小田嶽夫、社会評論家でもある亀井勝一郎、仏文学者の河盛好蔵、私小説の上林暁、木山捷平、外村繁などなど、近代文学に貢献したそうそうたるメンバーが顔を連ねています。
  • 喫茶店はパリでは、さまざまな人々が集って討論したり、刺激し合う場所なのに対して、中央線のソレは、ひたすら個人が内向し、内省する場所なのです。
  • 環境保護に熱心な中央線人は、車の出す排気ガスを非常に遺憾なことだと考え、ノーカーデーすら画策されていた。
  • 中央線の名曲といえば、南こうせつの同棲生活を歌った『神田川』、『荻窪二丁目』、The Boomの『中央線』。他にも甲斐バンドの『新宿』、そして斉藤哲夫の『吉祥寺』などなど。不思議なことに中央線絡みの歌はアッパーではなくすべてダウン系。聞けば心が落ち着き、頑張らなくっていいんだという気持ちにさせられるものばかり。
  • 風水師・御堂龍治さんによれば、風水の龍脈は、富士山から中央線上を出たり入ったりしながら、江戸城まで到達するというお話。龍脈というのは、簡単に言えばエネルギーの流れるラインのことです。さらに日本最高の預言者の一人、出口王仁三郎は、荻窪の地で「ここから関東の神の仕組みがはじまる」とのたまわったとか。霊界の案内人・丹波哲郎さんは、そのせいかどうか、西荻在住。オウムの基となった団体や幸福の科学、芸能人の信者の多いワールドメイト(かつてのコスモメイト)も、西荻が発祥の地。ヒゲとインド服の人が多い「ほびっと村」では、瞑想講座や夢見講座がひらかれる。インドの覚者ラジネーシのセンターも荻窪にある。高円寺には、立正佼成会。超心理学者・本山博氏の国際宗教・超心理学会は吉祥寺に。エホバの証人の王国会館は三鷹に。女優の沢口靖子さんも信者の真如苑は立川に。国分寺は、聖武天皇が建てた武蔵野国分寺があったところ。当時最大規模だったというから驚きますね。
  • なんでもある吉祥寺に、たったひとつないもの。それはズバリ、吉祥寺というお寺です。
  • 東京経済大学では多摩をより良くする"多摩学"の研究がなされています。
  • 高尾駅北口にある「多摩森林科学公園」は、桜のメッカ。日本全国の二百五十種にもおよぶ桜があり、五月に行ってもひと月遅れの桜を楽しめる場所です。

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