2017年2月27日月曜日

映画「八月の鯨」

著者 :
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
発売日 : 2012-06-08
アメリカ・メイン州の小さな島で暮らす老姉妹の夏の日々を淡々と描く傑作(引用元:wikipedia)、ということで見てみた作品。

個人的には、見ていてかなり退屈な作品に感じました。全体にゆったりとした時間の流れを感じて、このテンポで暮らしていくことに楽しみを見出すこともときには必要だと思うけど、いつもこれだと今は飽きてしまいそう。そこに逆に、今の生活のテンポの早さを実感しましたね。やろうと思ったらすぐに実行に移せる利便性と機動力、それを享受した生活の快適さと自由度。
ただ、時間が経って、自分も歳を重ねていけば思うように体が動かなくなり、五体満足ではいられなくなるだろう。そうなったときにそれでもこの作品の中の生活のような、いろいろ思い通りにいかないこともある中で楽しみを見付けながら暮らしていく、そんな風に暮らしていけたらとも思ったり。
今のペースで動ける時間は限られていて、いずれ来るそういうタイミングへの準備もしておくことが必要なのかもな、とは思いました。それは働き方も、いろんな活動への取り組み方も、家計のやりくり的な現実的な側面でもそうだろう。
あと印象に残ったのは、老紳士の感じの良さ。セリフにも品の良さやウィットがあって、こういう人になるにはどうしたらいいだろう、とか思わされました。願わくば、頑固おやじよりもこっちの感じを目指せると嬉しいかなぁと。まぁ、もう少し先の話ではあるけど。
若い時には退屈に感じても、だんだん作品の年齢に近づくたびに分かる範囲が広がって、また10年後とかに見たら違った感想を持つだろう深みのある作品だと思いました。

漫遊記:右向け左!

いくつか仕事を転々としていると、自社じゃなくとも元自衛隊という人はいたりする。
ブルーインパルスも好きだし自衛隊の基地に入れるときにはたまに行ってみることもある自分が次に読んでみたのはこちら、「右向け左!」でした。


自衛隊入隊経験のある原作者がその経験を元に描いた作品ということで、実態はこんなものなのかもしれないなと思わせてくれる反面、一般市民としての自衛隊のイメージってもっとビシっとしているイメージがあったかも。そのギャップも、作者が伝えたかったことなのかもしれないなと思いました。

内容は性欲丸出しの主人公のバカ話みたいな話が多いけど、タイトルを「右向け右」ではなく「右向け左!」としたところも含め反骨精神というか、言われた通りでなく自分を通すことを大事にしてもいいんじゃないの、みたいなメッセージは感じてもいいと思えました。ただ、これを読んで自衛隊に入りたくなる人はいなそうかなぁ。

2017年2月26日日曜日

漫遊記:リーチマン

いろんなマンガを読んでみる会、続いての作品は「リーチマン」。


あらすじからいえば、32歳の仕事なし主夫が働く奥さんを支えつつ、自分の夢と現実n生活とで悩む、そんな日々を描いた作品。
年齢的にも近くてやってみたいことは止められなかったり自分と重なる部分もあったりして、小さいことに「俺の方がまだマシかも」とか、「こういうことは俺はできないな~」とか主人公を尊敬したりしながら読みました。

きっとこんなリーチのかかったリーチマンは今いっぱいいる。
まずいよな~、俺も。頑張らねば、と思いながらもまたマンガに逃げる日々です。。

あ、そうそう、ひとつこれ読んでてそうだったのかと思ったことがありました。洗濯したTシャツを干す時、ハンガーにかけると首周りが伸びてしまうって話。ハンガーに2つ折りで干すのが正しい干し方だったんですね。以下ご参考までにその話と同じことを解説してたサイトがあったので載せときます。

参考リンク:Tシャツの干し方のポイント

世のリーチマンのみなさん、お互いがんばりましょう。

探訪記:なるさわ富士山博物館

河口湖近辺で続いて立ち寄ったのは、せっかくだし富士山に関連するところがいいでしょうと「なるさわ富士山博物館」。場所的にはさっきの氷穴から河口湖までの途中にあります。

入場無料&年中無休の富士山博物館
建物の周りには大きな水晶がゴロゴロしていて、「ご利益があるのでぜひさわってください」とか書いてあるもんだから片っ端からさわってみる(笑)。それぞれの違いはよくわかりませんが、もらえるものはもらっておきたいところです。

建物の奥に富士山博物館の入り口
 建物に入るとそこにもいろんな水晶が所狭しと置いてありますた。「富士山の博物館」と思って訪ねた自分としては別のスポットに来たような印象もありましたけど、まぁ珍しいものには違いないし時間もあるし、ゆっくり見てってみようかなと。

丸い水晶にドラゴンボールを思い出す
それにしても、どの水晶にも「あれに効く」「こんなときは」って書いてあって、びっくりするくらいの値札がついている。貴重価値に加え芸術品ともいえるような加工の部分もあると思うのでそれなりの値段なんでしょうが、商品とアートの境界線ってどこにあるんでしょうね。まぁ、どちらにしろさわるだけで手は出ないので博物館の中へGOGO。

眠れる恐竜
館内に入るといきなり恐竜が!富士山との関係はわからないですが、恐竜を見るとワクワクする。ホントに富士山の下ならいそうだしな~。

富士山の地下はこうなってた!
展示は富士山にまつわる地勢や歴史についてのものが多く、富士山に9回登ったことがあったってそういった部分を見ようとしてこなかった自分には新鮮なことも多かったですね。鉱石の話でいえばカラットには2つの意味があり、金の純度を表す単位として使われるケースと、宝石の質量を表す単位としてのカラットがあるそうな。1カラット=0.2g。へぇ。

もちろん富士山もばっちり!
そんな感じで、河口湖への旅行らしく富士山にまつわるスポットにも立ち寄りましたとさ。もちろんこの富士山博物館からは富士山がキレイに見えて、ご利益もたくさんもらえたことだしこれからいいことありそうな気持ちいいスポットでしたよ。

ちゃんちゃん。

探訪記:鳴沢氷穴・富岳風穴

こんにちは、きじです。探訪記もちょくちょく更新しなければ。

お次は今年の年始の家族旅行で訪ねたこちら、「鳴沢氷穴・富岳風穴」。
自分の家族は年末年始は毎年温泉旅行に行くことにしていて、今回は河口湖あたりになりました。そこでついでに「いつか行ってみたい」と思っていたこちらを訪ねることができますた。何年越しだろう、「よし、訪ねていこう」と思うとこういうタイミングが訪れてくれるのは嬉しいかぎり。

入り口はこんな感じのロッジ風
天気もよくて風もなく、観光するにはいい日和でしたね。ここ最近の年末年始はいつもそんな感じが続いている気がする。入り口にはこんな説明板もありました。

手作り感溢れる説明板
 今回は冬場にきたから温度の極端な変化は感じなかったけれど、冷蔵庫がないときの夏場の暮らしにとって温度の変化の少ない水辺はキーになっただろう。その中でも地下がここまで冷えるのであればこの氷穴は重宝されたでしょうね。

坑道のような通路
ちなみに、奥多摩にある日原鍾乳洞の洞内温度は通年11℃。あれだけ涼しいのに、氷は溶けてしまう温度なのだから、ここの特異さは推して知るべしというか、やはり全国区で珍しい場所なんだなと実感しますた。

氷のブロックが連なる
この氷のブロックで通路をつくり、その裏手に氷の山ができてたんでしょうね。運び出すのも大変だっただろうな。

君が代ポンプ
外に出てくると、ポンプが置いてありました。何に使っていたかはわからないけど、「君が代」って書いてある。お国のためにとか、ずっと続いていくようにとか大事に思われていた場所だった、ということなんでしょうか。

富士山パネル展も開催
おみやげショップでは氷穴はもちろん、富士山グッズのほかこんな展示もしていました。そういえば、世界遺産に登録されてから一度も富士山に登ってないな。世界遺産になる前後の変化も見てみたいし、近々登ってみたい気はする。パネル展は富士山にまつわる神社や文化を取り上げて展示がされていて、こういうスポットをめぐるのも楽しいのかもなと思いました。今はあまり興味が持てなかったのでいずれまた。

そんな感じで、鳴沢氷穴をあとにしました。所要時間は30分くらいだったのかな。
続いて車で5分かからない近場の富岳風穴へ。

ちなみに、氷穴と風穴の違いについてはこちらのページで解説されていますが、簡単に言うと縦にできたのが氷穴、横にできたのが風穴なんだそうです。縦にできるのはたまった溶岩やガスがどこかの隙間からボコッと出てきたから。横にできるのは元々流れていた溶岩が表面から固まっていく中、途中で流れが変わったりして中の溶岩がなくなったから。なるほどね。

風穴にも氷があるみたい
そして、こちらの風穴は受付窓口から入り口までに樹海を眺めて歩くことができます。 奥多摩の森と比べると根が横に這っていて異様な雰囲気だったなぁ。。地表が土でなく一面溶岩の地域なので、根っこが潜らずに横に張り出しているそうな。かなり違和感を感じる森で、なにか出てきそうって感覚はよくわかりました。

樹海へようこそ
風穴にたどり着いて潜入してみると、こちらでも氷柱を発見。氷穴も風穴も深さはそう変わらないそうで、氷はどちらにもあるんですね。

撮影ポイントになる氷柱
その先に少し歩くと、天然の冷蔵庫とされていた時代から使われていたであろう繭や木の実を保存した箱がいくつも置いてありました。これで初めて知ったんですが、どちらかと言うとこの時代の冷蔵庫は、今の冷蔵庫のように食材を長く保存するためというよりは、蚕が春に一斉に孵化しないように春を遅らせるための保存、という意味合いが強かったみたいですね。これによって年に1回だった収穫が数回できるようになったことで、その後の生産量は安定、倍増していったと。
確かに、四季の変化を受ける産業がその変化を受けずにできるようになると、それだけで生産量は増えていく。ここの工夫は他の業種でも活かせそうな気はしますね。年に一度のバーゲンセールって、今は結局毎月やってるよねみたいなところもそうなのかな。。
あと冷蔵庫も、「ただ食材を保存する」という利用法から発展させると別のこともできるんだろうか、とかも思いましたね。今は思いつかないけど。

保存された繭玉
天然の冷蔵庫


そんな感じで、いつか行くリストも1つ達成できたし、新しい発見もあった氷穴・風穴見学でした。ここは機会があったら一見の価値ありと思うので、ぜひ行ってみてくださいな。

映画「君の名は。」

大ヒットしてるので、映画館で見た人はたくさんいるでしょうね。
RADWIMPSの主題歌や挿入歌が世代に合っていて、勢いと都会っぽさを感じさせる音楽と、まちと自然の絵になる風景のタッチ、この2つの舞台装置に今っぽさを感じました。
その中で繰り広げられる話について、個人的にはそのストーリーや体が入れ替わる、時空を越えるところよりも、都会と田舎の暮らしを正反対のところと共通するところをうまく描いていたなぁと思いました。反対側の暮らしに行っても活かせることがあったり、行けば行くほどそこでの時間が解決してくれる慣れの部分があったり。東京に出てきた人たちや移住を考える人たちの話にリンクする場面も多かったんじゃないかなぁと思います。
そして、行き来するって意味では、奥トレは滝くんのような都心でずっと暮らしている人たちに自然の豊かさ・気持ちよさの中で気分転換してもらうきっかけになればと思ってやっているところも自分はある。だから、平日は都心でオフィスワーク、週末は田舎でアウトドアみたいなハイブリッドな暮らしの良さというか、「都心の生活が全てじゃない。たまには緑に触れにいきたいな~」とか思ってもらえると嬉しいよな、とかも思いました。
それとまだ人のできない「時空を越える」が成立する物語としてこの「君の名は。」も位置づけられるな、と。片や数百年と時代を飛び越え、片や数年間てほとんど同じ時代の中でのズレのようなものではあるけど、どちらにせよそのズレがおもしろい想像を生み出すんでしょうね。この作品はそれに加えて人のできない、「体が入れ替わる」ことも話をおもしろくするポイントになっていると思います。
とても楽しめるし、みんなが見てるからこそ同じ話で盛り上がることもできるいい作品だと思いました。

2017年2月23日木曜日

本「嶽神伝 無坂(下)」

下巻も一気に読んでみました。こっちの方が物語に展開があっておもしろく、こうやって登場人物のつながりの蓄積で話はおもしろくなっていくのかなと思いました。それと、ハッとさせられたのは宴の理由のところ。「冬が終わった」「春がきた」そういう理由をつけて集まる方が、定期的に集まるにしたって義務感を感じずにできるのかなと思いました。むしろ、そんな理由で集まる方が楽しく飲める気もする。今度やってみようかな。物語自体は、当初は「嶽神」がどこで出て来るのかとか思っていたけど、なるほど、シリーズで読むほど楽しみが増えていくそのものたちへの敬意、という意味でいい名前だなと思いました。

本「嶽神伝 無坂(上)」

久しぶりの歴史物。武田軍と同じ地域で暮らしながらも別々の生き方をしている山のものたちの物語。人気シリーズらしいけど自分ははじめて読みました。「山怪」や「黄色い牙」のようなマタギの山の話は読んできたけど、荷役の話は新鮮でしたね。印象に残ったのは登場人物たちの無欲な暮らし。多くを望んでいないからこそ質素な暮らしの中での楽しみの見つけ方に優れていて、山の中に入れば必要なものは周りにすでにある。そんな世界が今も隣にある(かもしれない)のに、里の暮らしばかりに目を向けてきたかもなと思いました。

2017年2月22日水曜日

漫遊記:信長協奏曲

こんにちは、きじです。

続いてはマンガの記録です。今年は、マンガもたくさん読んでいこうと思っています。
普段はマガジンやモーニングを多少読むくらいですが、そんな自分にもマンガナイトのメンバーは会う度にいろんなマンガを教えてくれる。それが雑談ベースの思いつき、暇つぶしに話していた話であっても、それも縁と思って読んでってみたら自分では選ばないマンガも多いし、楽しみは広がるだろうなと。
それに、「これも学習マンガだ!」の2016年版の発表会に去年参加した際に里中満智子先生が「マンガはたくさん読んでも大した金額にはならないが、そこから学べることは大いにある」みたいなことを話していて、「確かに考えてみるとそうだよな~」と共感したことは自分のどこかに引っかかってたみたいでした。

だから「今年はマンガも読もう。そのために多少お金がかかったとしても、1回読むとこまではいいじゃないか」と思うことにして、一気に読み進めてます。


で、いくつか読み進めている中でまずはこちらの「信長協奏曲」。
ドラマや映画にもなっているみたいですね。そういう意味じゃ、世間でも評価の高い作品だったのかな。

現代から戦国時代に時代を越えた主人公が信長として生きていく、それ自体はよくある物語ではあると思います。でも読みながら、この話は信長じゃなかったら成立しなかったのかもな、とか思いました。

もし僕が戦国時代に行くとする。それも今川義元として。

そしたら、桶狭間では絶対に首は獲らせない。そのあとの時代がどうなるかなんて、自分がこれから死ぬことと比べたらどうでもいい。どうせ今の世の中も「この歴史こそが大正解」ってわけでもないし、そんな歴史が変わって違った未来が訪れたっておもしろそうだと思う。そして信長を退けて上京を果たしたのちは、知っている限りの施策をその場その場でするだろう。楽市・楽座や兵農分離、治水もそうだし鉄砲も持つだろう。街道整備や領地内の関所の撤廃なんかのインフラ整備、金山や銀山も手に入れようとするだろうし鉄甲船もつくる。自動車…はすぐには無理でも自転車のような移動手段は教えてあげたいし、飛行機も必要と考えるだろう。干ばつに備えてダムをつくったり上水を引いて荒れ地で農作ができるようにもしたい。立地的にはやはり首都機能は広い関東平野を使える江戸が視野に入るのかもしれない。

書いてて楽しくなってきたけど、そうなったら忙しくなるな~。笑。
でもその時代の戦国武将の権限の大きさたるやすさまじいものがあるな、任期もないし。責任重大だけどおもしろくて仕方ないって武将もいたのかな。ただ新しいことをやろうとすればするほど、暮らしてる人たちには「非常識」とか「バカ」とか「うつけ」とか大いに言われるんだろうな。ただ実際、数百年後から時代を飛び越せば誰だってできることはたくさんあると思う。

でもそれじゃ、この作品としては成立しない。
日本の歴史の流れを読者が知っている前提で、それに沿ってストーリーが進むからこそ、そこに重ねながら楽しめる作品なんだろうなと思いました。

人類は距離は越えた。空を飛び、宇宙にも出ることができるようになった。仮想空間も手に入れた。でも、時間軸を行き来できるようにはなっていない。その「まだできないこと」がもしできたら、は空想かもしれないけれど、だからこそこういう時空を越える設定を持つ作品て楽しめるんでしょうね。次行ってみよう。

2017年2月20日月曜日

映画「海賊とよばれた男」

僕の「やるやる詐欺脱却作戦」は、建物やスポットに限らない。
映画も見ようと思って(たはずなのに)見てこなかった作品が多い。だから今年はなるべく多くの作品を見ようと思っていて、まずはこの「海賊とよばれた男」。もちろん、立川のシネマシティで見てきましたよ。

著者 :
Sony Music Marketing inc. (JDS) = DVD =
発売日 : 2017-07-05
世間の評価は賛否両論あるみたいですが、僕にとってはとてもよかったです。仕事の上でも考えていることがあったりしたので、「やったろうじゃん」とやる気に一気に火がついた時間でした。
見に行くきっかけは、知人が「きじにも」と参加してないのに送ってくれた講義録。
これまでの時代の動静を踏まえ、これからのことを参加したみんなで考える、そんな集まりの前段となる講義で提供されていた話題の中に、この話の主人公・出光佐三さんの生き方が取り上げられていて、その講義の内容がよかっただけに「これも見ておきたい」と思ったことでした。
映画の中での印象に残ったことはいくつもあったんだけど、まずは石油の可能性を自分はまだ十分にわかってないな、という点がひとつ。有限な資源だからこの先も考えれば依存はできない、また産出国でない日本はそこが弱点となり得る(実際になったから戦争に突入した)。今は、歴史を繰り返さないためにも可能な限り早く自然エネルギーへの転換を、という考え方の方向性はわかる。ガソリンでなく電気自動車や水素自動車、発電も火力や原子力から太陽光や風力へ、と。でも、それがすぐにはできないほど魅力があり社会的に恩恵を受けてきた「石油」の持つ資源としての力、特別さ、さらにまだ実現していない可能性の部分について自分はある種、敵対視のような見方しかしてこなかったかもしれないなと思いました。それがあってつくられた社会に暮らしているのに。
あともちろん、ダビデとゴリアテの戦いではないけど、寄ってたかっての弱い者いじめにも屈せずに自分のすることの意義を信じ、ジャイアントキリングに挑戦し続ける主人公とそれを共に担う仲間たちの姿は胸を打ちました。今の自分の状況なんてちょろいちょろい。そして残業がどうとかではなく、やってておもしろくてしょうがない仕事ってこういうものだよなぁとか考えさせられたり。(仕事におもしろさを感じながら働きたいという意味で、めちゃくちゃ残業したいですというわけではないです念のため)
なんにせよ、この物語を映画でなく原作、いや欲をいえば実際に今もこの物語の続きを生きている人たちもいるのだから、生の話としてもっと知ってみたいと思いました。そして自分の働き方もここらで気合いを入れると同時に、社会的な大きな意義を意識して動いていきたいとも感じた作品でした。できること、やりきってないことはまだまだあるなと。
「海賊」とよばれたことはなくとも、「韋駄天」とか「懐刀」、「神の目」とか異名はいくつかもらってきた。その名に恥じぬよう、今年も頑張っていきたいなと思います。

2017年2月18日土曜日

探訪記:新選組のふるさと歴史館

地域の歴史も足を運んで知っていこうと、お次はこちら「日野市立新選組のふるさと歴史館」へ。
ふるさと歴史館
ここ、特別展で「剣客集団のその後 ~新選組・新徴組の変容と終焉~」なんて気になる展示をしてたんですよね。(~2017/2/5まで。書くの遅くてすみません…)

新撰組はもちろん知っている。でも新徴組のこと、さらには新整組なんて組もあったことは知りませんでした。「士道不覚悟」の規律の厳しい新撰組も、袂をわかったり戊辰戦争では負けが続いたり、時代の流れの中で思い通りにいかないことばかりだったんじゃないかなと、「なんなんだよ!」と思うことも多かったんだろうなと、展示を見て感じました。

ただ、それに彼らが立ち向かったこと、そして自分たちで道を切り開いたからこそ今に語り継がれていることも事実。その話の中で誰かが誰かに伝えたかったのは、結果的に勝てなかったことではなくあきらめなかった姿勢じゃないのかなとか。「君が育ったこの地域にも、かつてそんなヒーローがいたんだぜ」と。

自分たちの今の世の中も、先行きは明るいとはいえないけれどまだやれることはたくさんある。小さなことでもいいから、流れに流されるだけでなく自分たちの「こうしたい」が実現されていくよう動いていきたいとか思った時間でした。結果がどうであれ流されて暮らしていくより、そっちの方がよっぽどおもしろそうですしね。うし、頑張ってこう。

ちょうど、新撰組を描いたマンガ「この剣が月を斬る」の京都新撰組マップがあったので、いつか京都を訪ねた際には巡ってみようと思います。

そんなことを感じた歴史館探訪でした。

2017年2月17日金曜日

探訪記:多摩森林科学園

「イヌも歩けば棒に当たる」「キジも鳴かずば打たれまい」なんて言葉もある通り、いいこと悪いこともあるにせよ出歩かなきゃ知りもしなかった情報から、その先の行動につながることもありますね。少し前の話だけど、近くでやっている企画のチラシから興味を引かれて向かったところは、「多摩森林科学園」。
駅のホームの大きな天狗が印象的な高尾駅から歩いていける、一山歩ける森の施設です。

高尾駅到着!
駅の北側に出て徒歩10分程度で見えてきました森林科学園。

この建物が今日の目的地
興味を持ったのは、こちらの企画展「木材利用が切り拓く未来ー公共建築物等の木造化からオリンピック・パラリンピック施設整備までー」。

企画展のポスター
2020年東京五輪に向け、受け入れる側の東京は施設やアクセスの整備をどんどん進める必要がある。国内の人口の東京への一極集中傾向は依然として続いている中、公共インフラや施設の老朽化問題は限界を迎え再構築が大きな問題となり、さらに使いたいが使う機会をつくりだせない木材は東京・西多摩にも多く残り、間伐できない森は森林としての機能を低下させ、緑のダムとしても問題を抱えつつある。
この東京の全体感から見れば、木材利用にもっと取り組むべきではと個人的には思っている。実際に近年は林業に若手が参入しだしたり明るいニュースがポツポツと出てきて、「公共建築物等木材利用促進法」も整備され、あとは「国産の木材は費用が高いから使えない」という部分をどう解決するか。ここ。そんな話も奥トレでも自然を楽しみながら、考えていけるといいと思ってます。

展示内容としては、木造建築物の耐火の考え方として「燃えない材料しか認められなかった→燃える材料であっても火災終了まで倒れない、延焼しない今の耐火構造」が紹介されていたり、樹海ドームや木材会館、大野からくり記念館のような木材を効果的に活用している施設の紹介があったり興味があって訪ねた人もそうでない人も学べる内容だったと思います。残念だったのは、パネル展示のみで誰かが説明してくれるわけでもなく、「興味のある人はどうぞ」的なスタンスで終わってしまったこと。もっと知ってもらえたらよかったんじゃないかなぁ。

っとまぁ目的の展示も見れたので、そのまま施設内をひと歩きしてきました。

福島の桜"はるか"の原木
園内には、福島復興のシンボルとして福島の桜を各地に送る「fukushimaさくらプロジェクト」の"はるか"の原木があったり(名付け親はもちろん八重の桜の綾瀬はるかさん)、メタセコイヤの大木や冬ならではのフユイチゴを見つけたり、冬場の明るい林道をサクッと歩いてきました。季節が変わるとどんな風に見えるか、また春にでも来てみたいすね。ちなみにここには全国の桜が保存されていて、2月下旬から4月下旬にかけての長い期間いろんな桜を楽しめるそうです。

見上げる大木のメタセコイヤ
歩いて楽しい林道
フユイチゴ見っけ
せっかく歩くなら、こういう気持ちいい道を歩いていきたいですね。日本各地の木材建築も見聞を広げるがてらにめぐってみようとか思いました。さて、次行ってみよう~。



2017年2月15日水曜日

探訪記:多摩六都科学館

さて、覚えているうちにどんどん書いていきますよっと。
お次は西東京市、スカイタワー西東京のふもとにある「多摩六都科学館」。

スカイタワー西東京を下から
ここは数年前にプラネタリウムがLEDになり、「世界で最も先進的」といわれるプラネタリウムになったそうな。そんな施設が近くにあるのに、見に行かずにはいられない。

印象的なドーム。直径27.5mのプラネタリウム
入場時間が、ちょうどプラネタリウムの始まる時間だったので展示よりも先にまずはプラネタリウムを楽しむことに。席は上の方だったけれど、写真で広さが伝わるかな。

急斜面のプラネタリウム
感想としては、正直に書くと自分の期待値が高すぎたかも。。実際LEDのプラネタリウムが描きだす夜空は確かにキレイだったけれど、 思ったほどではなかった。奥多摩で見る星空の方がキレイで自由でワクワクして、このくらいの星空なら見れるなと思ってしまったり。こういう感想は、夜空の見えにくい都心やコンクリートの中で暮らしてる人たちとは視点が違うんだろうか。あ、でも夜空には描けない星座の絵をたくさん見れたことは収穫でしたね(それもこの施設のオリジナルなんだそうです。かなりかわいい感じでした^^)。
あと、解説をしてくれたお姉さんの話のテンポが子ども向けにゆったりペースで声がやさしくて、思わず夢心地。。かなうわけのない眠気と戦いながら「いやいや寝ちゃだめだ、これを見に来たんじゃないか」と、落ちたのはきっと一瞬だったと思います。^^;
ま、なんにせよ体験しようと思ったことを体験できたので満足。

その後は館内の展示へ。以前来たときは科学館のイメージが強くて、いろんなサイエンスを子どもたちにわかりやすく伝えるための体験装置に気が向いていて、ここがそんな科学をキーにこの地域の研究をした成果が展示、発表されていることまでは目が行ってなかったなと思いました。地球環境を自分の地域の特徴とつなげて考えていく、自然とそんな視点が持てるように工夫されていてなるほどなと思うところもありました。立川断層についても触れられていましたね。「実際はそんな断層なかった」なんて調査結果もあるそうですが、本当のところはどうなんだろう。あんまり押さえられてないな。個人的にはもう少し把握してべきかもしれないけど、ある前提で動くべきだよなと思い返してました。

立川断層帯の紹介
 そんなこんなで久しぶりの多摩六都科学館でした。立川にはプラネタリウムがないっていつか話していたことがあったけど、必要なのはプラネタリウムよりも流星群のときとかに集まれるような夜空がもっとキレイに見える場所かもな、とか思ったり。

探訪記:江戸東京たてもの園

近場の行ってみたかったところを訪ねる旅、続きましては小金井市にある「江戸東京たてもの園」へ。ここも行った人みんなが「よかったよ~」って教えてくれる場所。
まわりに建築や設計の仕事をしている人が多かったのも、興味を持つきっかけだったのかもしれないですね。


いざ訪ねてみると、まずは中の敷地の広さにびっくり。予想以上に大きい。。ちょっと広い公園くらいかなと思っていたら、建物だけでも20以上。じっくり1日がかりでも周りきれるのかな、というボリュームでした。で、早々に全部まわるのはあきらめ、何度か来ながら見ていければいいかなと今日はダイジェスト版にすることに。

そして歩き始めると、自分が1人で来ていたからかボランティアのガイドさんがすぐに気さくに話しかけてくれる。これは嬉しいし、この話しかけられやすさは1人で行動しているときのメリットかなと思ったり。で、ざっと説明してもらって今日立ち寄る場所に目星をつけてみる。さて行ってみよう。


まずは正面の「旧自証院霊屋(きゅうじしょういんおたまや)」へ。徳川3代将軍家光公の側室を供養するための霊屋なんだそうですが、スケール感と品格が目を引く建物でした。最初が肝心とばかりに、謙虚な気持ちにしてくれます。


そして「高橋是清邸」を見学。2.26事件の現場になった部屋もあったり、歴史の重みとその中で重要なワンシーンを担った舞台がここなんだと思うとちょっと身が引き締まるというか、自分の小ささも感じるというか。ガラスが明治のもので、平面でないところも味がありましたね。ここはじっくり見たらすごくかかりそう。また来よっと。


続いて、たてもの園だけど電車を見つけたので立ち寄ってみたり。なんだろう、すっかり電車好きになってしまった。荒川線以外にも東京中を都電が走り回ってた風景、のどかな感じだったのかな。一度見てみたかったな。



さらに巡って次は商店ゾーンへ。写真の左側の建物は文具店(三省堂だけど書店じゃないよ)で、入り口から潜れる地下室があって当時の物流を考えさせられました。商売をやるのに在庫を切らしちゃいけない。でも夜入荷するわけにもいかないし、お店の裏口は広くない。店先に置かない商品はどう受け入れて、どこへ保管したらいい?当時、建てる段階でも売れだしてからも工夫しただろうなぁ。当時の職人さんや商店主がその辺どんな会話をしてたか、混ざって意見交換とかしてみたかったです。


さらには銭湯もありましたよ、「子宝湯」。東京の銭湯を代表する建物なんだそうです。こんなにビシっとした銭湯、庶民が日常使いで入ってたんだろうか。それともご褒美で入ったりしたんだろうか。建物の中は会話が弾みそうなつくりというか、広すぎず狭すぎず(身長的には少しサイズは小さく感じたかも)、ここで過ごす時間は楽しいお風呂だったんじゃなかろうかと思ったり。


ぐるっとめぐって「三井八郎右衛門邸」も見てきました。ここは、ずっしりと豪華のひと言。同時にセンスの良さも感じて、文化芸術を愛した一族というのは端々から伝わってくるものがありました。中身を見ずに派手で豪華なものばかりを財力に任せて追求したわけではなく、そこで過ごす時間を価値のあるもの、大切な時間にしたかったんだろうなとか。それはお金をかける意味があり、自分たちが次の世代に何を残したかったのか、そんなメッセージが含まれているように感じました。
自分はたとえお金をたくさん持っていたとしても、こういう使い方ができるだろうか。お金が十分になくたって、一緒に過ごす人に、自分はあなたを大切に思っているということが伝わる暮らし方をしているんだろうか。とか。


そんな感じで駆け足だったけどざっといろんな建物を見せてもらって、そのひとつひとつの建物はそれぞれの意図があったり実現したい夢やそこで誰かと過ごしたい時間、そして建てる際に受ける制約があることもある。どこにどんな折り合いをつけて、少しでも大切に思える暮らしができるよう工夫を重ねていくことが必要なのかなぁと思った時間だったなと思います。
加えて、そうはいっても主のいない建物はやっぱり少し寂しく感じますね。

たくさんの建物はいらないから、自分が暮らしている今のボロアパートにもうちょっと愛着を持って工夫できることは工夫してってみたいかなと、そんなことも思ったたてもの園訪問でした。ちゃんちゃん。

2017年2月13日月曜日

探訪記:家具の博物館

東京富士美術館をあとにして、次に向かったのはこちら。
中神駅の近く、フランスベッド株式会社の敷地内にある「家具の博物館」。



以前、フランスベッドさんは仕事で間接的に関わることがあったので、この「家具の博物館」の存在を知って「いつか訪ねてみたいなぁ」と思ったのはもう数年前。ようやく、訪ねることができました。(来ようと思えばすぐに来れたのに、自分が来なかっただけだよなぁとここでも反省)

ここの展示は年代物の家具がたくさん展示されていて、それについて縁起のいい飾り物に込められた願いや意味の解説だったり使われている木組みを実際に組んでみる体験ができたり、「暮らしの中でかつては普通に知っていたけど今は知ってる人が減ってしまったこと」を切り口としてひとつひとつの家具の価値を伝えていて、そのアプローチに個人的に好感を持ちました。
まるでおじいちゃんに教わっている孫の感覚というか。そうだそれこそ、おじいちゃんと孫で訪ねたなら、家具をきっかけに思い出すおじいちゃんの昔話や当時の地域のこととか、話してあげられることがたくさん思い起こされそうな場所でしたね。

「そんなみなさんの生活とともに、私たちは年月を重ねてきたんですよ」と、そんなあったかいメッセージも展示の中に感じる博物館でしたとさ。
うん。訪ねてみてはじめてわかることってありますね。次はどこへ行ってみようかな。

探訪記:東京富士美術館

続いて、「いつか行ってみたい」と思っていた東京富士美術館にも訪ねてみました。


「世界を語る美術館」を掲げているだけあり、ボリュームのある西洋絵画の展示は見応え充分。個人的に印象に残ったのは、1枚の騎馬戦の絵から3Dで再現した立体模型でした。絵が描かれた方向から見ると確かに絵のように見える模型が、別の角度から見るとこうなってたか、とか距離感はこう表現されているのか、とか違った視点で見ることができて新鮮でした。2Dの平面として描かれているものも、全て本当は3次元を持っているものなんですよね。

ちょうどこの日は隣の創価大学でもなにか行事があったのか、家族で近辺を歩いている人も多くてなんだか明るい雰囲気でしたね。いや、普段もこうなのかな。

あと、この美術館で「へぇ」と思ったのは館内で使えるフリーWiFiが設置されていたこと。試しにアクセスしてみると、トップページは誘導されるものの通信に不自由はなく、展示されている美術品の説明とかが読めたりこういう見せ方もあるんだな~、と思いました。

今は、こちらのポスターの通り「開館史上最大級」と謳う275点の西洋絵画を一挙に見れる展示もしているみたいですね。まだ行ってないけど、機会があれば行ってこようかな。

2017年2月11日土曜日

探訪記:村内美術館

2016年末、ここ数年の自分は「やるやる詐欺師」だったなぁと反省をしました。

自分の仕事ややってみたいことを落ち着かせることに精一杯で、選択と集中といえば聞こえはいいものの「いつか行きたい場所」「どこかでやってみたいこと」「読んでみたいマンガ」とかがただリストアップされ増えていくだけ。。
このままじゃいつまで経っても行くことはないし、そんなToDoリストなら持っていても意味がない。むしろつくってきた時間がただの無駄じゃないかと。

というわけで、少しずつ時間をつくって訪ねてみたり、読んでみたりしてみようと。
そこに多少お金がかかっても最初の1回は目をつぶろうと。

で、まずは手近なところからということで、訪ねたのは自宅から自転車で行ける八王子の村内美術館


大きな家具屋さんの中の1フロアを使って、いろいろな家具とか絵画が展示されてました。ものづくりへの愛情と、芸術に取り組む姿勢って共通点あるでしょうね。どちらにも触れられてとてもよかったです。こんな近くにこんな博物館があったなんてまったく知らなんだ。
ちょうどこの日は「世界の名作家具デザイン展」という展示をしていて(今も期間中みたいですね)、名前は知っていたけど生で見たことのなかったチェアをいくつか見れたり思わぬ拾い物がいくつかありました。

天気も良くてサイクリング自体も気持ちよかった。やっぱりはじめて走る道はワクワクしますね~。

そんなわけで、これから少しずつ訪ねていったところを紹介していってみたいと思います。